●新入生「ハガキ一枚」課題●・・・作品発表【第2弾】
今春の新入生73名のみなさんに提出をもとめている〈課題ハガキ〉の既着分の中から、5/8文校ブログで紹介した沖末浩未(おきすえ・ひろみ)さんと中野華(なかの・はな)さんの作品に次ぐ第2弾として、菱田律子さん(昼間部/68歳)の「私の歩んできた道」を紹介します。
〈課題ハガキ〉の締切は、5月24日(月)必着です。提出作品は全て、「文校ニュース」に載せ、文校の多くの皆さんの眼に触れられるようにします。
ハガキの代わりに、メールで送っていただいてもかまいません。 (小原)
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私の歩んできた道 菱田 律子(昼・小説・佐伯c 和歌山市)
私は矯正職員として少年院や刑務所で三十七年間勤務、定年退職後は御縁があって龍谷大学矯正・保護課程の講師として「矯正教育学」を八年間担当していました。昨年度、コロナ禍でオンライン授業になり悪戦苦闘、これを機に講師を「卒業」することにしました。「卒業」に当たり、講義ノートを基に「少年院の教育―『矯正教育学』ノート―」を自費出版しました。この一冊で少年院の教育を体系的に学ぶことができ、年表・統計の資料も充実、何よりも「事例」によりわかりやすいものになったのではないかと思います。
この制作過程で、「事例」として登場する少年たちについて個人情報に配慮することは当然のこととはいえ、彼らの生の声をもっと届けたいと葛藤したこと、更に、成人の犯罪者の「三分の理」についても語りたいという思いから、大阪文学学校に入校しました。
横書きから縦書きへの設定変更は、覚悟していた以上に大変ですが、矯正実務を通して出会った人々と、今度は小説として再会したいと思います。よろしくお願いします。