新入生34名(夜7、昼15、通教12)の皆さんへの「ハガキ一枚」課題、今のところ7名から届いています。◆作品発表・第1弾【通教部・塩崎拓さん<大学生>】
今秋の新入生34名の皆さんに、案内チラシ(10月31日文校ブログ参照)と所定の〈課題ハガキ〉を、先週から手渡しないし郵送してあります。
ハガキのかわりに、メールで送っていただいてもかまいません。むしろ、その方が助かります。締切は11月25日(土)必着とします。提出作品は全て、「文校ニュース」に載せ、文校の多くの皆さんの眼に触れられるようにします。
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今日までに7名の方から届いているのですが、その中から、塩崎拓さん(通教部/21歳)の作品を紹介します。 (小原)
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最近強く思うこと 塩崎拓(通・小説・谷口クラス 大分県別府市)
八月下旬、ぼくは友達と一緒に行った座間味島から、大阪の和泉市にあるお母さんの実家へ帰った。お母さんのお母さん、つまりぼくのおばあちゃんは、両目に白内障と緑内障を患ってるから目がよく見えないらしいんだけど、それでもぼくの姿をいちべつするなり「よく日に焼けたねぇ」と言って、優しく笑ってくれた。少しして、おばあちゃんはぼくとコーヒーを飲みながら「そういえばね」と、ある話をしてくれた。ぼくのお母さんについての話だった。
ぼくには四歳上のお兄ちゃんがいるんだけど、お兄ちゃんが生まれてからしばらく、お母さんは神奈川にあるお父さんの実家にいたそうだ。ぼくのお父さんの実家は赤ちゃんに寛容じゃなくて、おもらしをしたお兄ちゃんを怒ったり、お兄ちゃんのお世話でご飯が食べられなかったお母さんの分を先に片付けたり、お母さんに優しくなかったという。そんな扱いを受けてるのを知ったおばあちゃんは怒って、神奈川まで迎えに行ったんだけど、その時のお母さんと出会ったのは実家じゃなく、近くの公園にある木陰だった。そして、お母さんは、泣いているお兄ちゃんを必死にあやしていたんだって。真夏日の暑さの中、日焼けでボロボロになった両腕で、大切そうにお兄ちゃんを抱いて。
もしかするとぼくたちは、自分だけじゃなくて、他の大切な方々の泣いている姿を、ふと、記憶の中で見つけることがあるのかもしれません。そういう時はそうっと、心の中で抱き寄せて、頭を撫でてあげてくれませんか。それがぼくの、心からの願いです。