☆新刊紹介☆方政雄さん(昼間部研究科休学中)小説集『草むらの小屋』(新幹社/1,800円+税)
兵庫県伊丹市の方政雄(パン・ジョンウン)さんは、2015年4月に大阪文学学校の昼間部小説・佐久間クラスに入学しその後、夏当、津木林、島田、葉山、錺などの各クラスに在籍し、現在は休学中です。
小説集『草むらの小屋』(新幹社)に収められている表題作をふくむ4編はいずれも、文校の所属クラスで合評をうけて書き直したものです。
4編のうち「草むらの小屋」(115枚)は、応募227編の中から第39回(2022年)さきがけ文学賞[秋田魁新報社など主催]を受賞されています。
「滝の子」の初出は、『樹林』22年5月号(本誌)です。
方さんにとって『草むらの小屋』は、『白い木槿(むくげ)』(新幹社)、『ボクらの叛乱』(兵庫県在日外国人教育研究協議会)に次ぐ3冊目の小説集です。
※『白い木槿(むくげ)』については、22年2月4日・文校ブログで取り上げています。
(小原)
29日(土)全国同人雑誌会議の授賞式で、文校発行の『樹林』が第2回全国同人雑誌大賞“特別賞”をうける。ほかに、新人同人雑誌賞に同人誌[mon]と[茶話歴談]、50号賞に[黄色い潜水艦]と[飢餓祭]、全国同人雑誌最優秀賞に蒔田あおさん(文校修了生)、特別賞に藤本あずささん(同)が選ばれる。
一般社団法人・全国同人雑誌協会と中部ペンクラブの共催により、7月29日(土)午後1時から大阪・中之島のリーガロイヤルホテルで、全国同人雑誌大賞などの授賞式がおこなわれました。豪華なホテルで、1万円の会費だったにもかかわらず、同人雑誌に拠る書き手が全国から120名ほど参集。同人雑誌に関わる種々の表彰がありました。
60年間つづく大阪文学学校発行の月刊文芸誌『樹林』(7月号で通巻694号)は、第2回全国同人雑誌大賞の“特別賞”をいただくことになり、葉山郁生・大阪文学協会代表理事が賞状・賞金・ブロンズ像を受け取りました。
ほかに文校関係で、同人誌および同人誌に属する個人の受賞は次のとおりです。
◆新人同人雑誌賞に、[mon](飯田未和・通教部チューターなど)、[茶話歴談](文校修了生・丹羽志朗など)。
◆50号賞に[黄色い潜水艦](通巻75号/島田勢津子・昼間部チューターなど)、[飢餓祭](通巻50号/夏当紀子・昼間部チューターなど)。
◆第17回全国同人雑誌最優秀賞(まほろば賞)に蒔田あおさん(文校修了生)の「エリザベトを選んで」([白鴉]33号所収)、同・特別賞に藤本あずささん(同)の「浜辺のリズ」([黄色い潜水艦]75号所収)。
会場を移した懇親会パーティの終了まで6時間30分の長丁場。
途中とちゅうで、藤沢周さん、吉村萬壱さんの講演、富岡幸一郎さん、川村湊さんの挨拶もありました。
“同人雑誌を新しい地平へ押し上げていく道は?”という討議に、牧野出版・佐久間憲一社主、『三田文學』同人誌批評担当の佐々木義登さん、各地の伝統ある同人誌の代表4名とともに、小原政幸・文校事務局長もパネラーの一人として参加しました。
所用のため、遅くに現われた細見和之・文校校長は、懇親会のとき挨拶されました。大阪文学協会の理事である平野千景、美月麻希チューターのほかにも文校修了生の姿が20名以上ありました。
◆◆◆7月5日・文校ブログで、『樹林』が全国同人雑誌大賞“特別賞”を受賞したことをお知らせし、併せて『文芸思潮』23年夏号(第88号)から横尾和博氏と五十嵐勉氏の“選評”を抜粋して載せてあります。
(小原)
オンラインで秋期新入生2人誕生! 計6名に! ★6月入学の札幌市の80歳女性が、明日の全国同人雑誌の集まりのために来阪し、文校を訪れる!
今日、お二人からオンラインで「入学申込書」がとどきました。
どちらにも電話をして、入学の意思をじかに確認させていただきました。
以下に、「入学申込書」に記されていた内容を紹介します。
●≪奈良県生駒市・46歳男性≫夜間部・小説クラスへ――
◎入学のきっかけや書きたいテーマなど
【自分が見えていることを出すことで自分を発見し、それを読んだ人らが少しだけ自由になれるようなようなものを書きたい】
◎影響を受けた作品・作家・詩人名
【読んだもの全てと言っていいのではと思う。なかなかこれとは選べない】
◎募集を何で知りましたか
【“大阪”“小説”“教室”でググりました】
●≪大阪府吹田市・52歳女性≫昼間部・小説クラスへ――
◎入学のきっかけや書きたいテーマなど
【小説を読む事は好きなのですが、書く方はさっぱりです。小説を書いた事もありません。
なのに入学したいなんて、はた迷惑な中年の危機からかと悩みましたが…。思い切って、飛び込んでみようと思いました】
◎影響を受けた作品・作家・詩人名
【向田邦子『あ・うん』 遠藤周作 宮本輝 林真理子 マーガレット・ミッチェル エミリー・ブロンテ エドワード・ケアリー】
◎募集を何で知りましたか
【20年程前に、祖母から(現在102歳)教えてもらいました】
◆大阪文学学校発行の月刊文芸誌『樹林』が、第2回全国同人雑誌大賞の“特別賞”をいただきました。その授賞式など諸々が、明日・29日(土)午後1時から7時30分まで、一般社団法人・全国同人雑誌協会と中部ペンクラブの共催で、大阪・中之島のリーガロイヤルホテルでおこなわれます。
文校の運営母体である大阪文学協会の理事では葉山郁生(代表理事)、細見和之(文校校長/途中から)、小原政幸(文校事務局長)、平野千景(夜間部チューター/同人誌[てくる])、美月麻希(通教部チューター/同人誌[白鴉])が出席します。ほかにも、島田勢津子(昼間部チューター/同人誌[黄色い潜水艦])、飯田未和(通教部チューター/同人誌[mon])、夏当紀子(昼間部チューター/同人誌[飢餓祭])、同人誌[茶話歴談]から山岡優作(夜間部生)、有汐明生(通教部休学中)、真弓創(元・通教部チューター)らが参加予定とのことです。
もう一人、今春(6月)の通教部新入生が札幌市から参加します。一足早く飛行機で大阪に到着しその足で夕方、文校はどんなところか、見に来てくれました。北海度土産、ありがとうございました。
(小原)
平居謙・通教部チューターの歌集『星屑東京抄』(草原詩社)が「第19回日本詩歌句随筆評論大賞〈短歌部門〉」の“チャレンジ賞”に選ばれる。
この賞の主催者は、NPO法人・日本詩歌句協会(にほんしかくきょうかい)。
受賞された、大阪府豊中市在住の平居謙・文校チューターの歌集『星屑東京抄』は、22年8月9日文校ブログで紹介しています。
なお、『樹林』23年5月(春期)号の“書評”欄で川鍋さくさんが、歌集『星屑東京抄』もそのうちの一冊である『短詩系文藝四重奏BOMB!!!』を取りあげています。
(小原)
☆新刊紹介★大土由美さん(通教部・平居c/福岡県)詩集『悲しみも逆さか』(梓書院/1,320円)
福岡県北九州市の大土由美(おおつち・ゆみ)さんは、大阪文学学校通教部の詩・エッセイクラスへ2021年4月に入学し、冨上クラスの2年間を経て現在、平居クラスに在籍中。この2年余りの間に、通教部スクーリングのとき9回全て文校教室にやって来ています。ほかに、公開講座(詩の連続講座、文章講座)にも、事前に作品を提出して何度も参加しています。
1953年(昭和28年)生まれの大土さんは、30歳代半ばに第一詩集『ワスレ草』を出していて、このたび刊行した『悲しみも逆(さか)さか』は第二詩集になります。2019年から22年にかけて所属する福岡県の同人詩誌『GAGA』で発表したものが中心ですが、通教部提出作品(を改稿したもの)も多く収められています。
大土さんは36年間、北九州市内の各中学校で美術教諭を務めていました。その腕を活かし、新詩集に収録されている37編の合い間あいまに15枚の挿絵がおかれています。
(小原)