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早高叶さん(大阪文学学校修了生)が個人誌『春の夜に降る雨は』を刊行しました。

大阪府の早高叶〈はやたか・きょう〉さんは、大阪文学学校へは2012年4月入学で、通教部や夜間部の小説クラスに3年間、在籍しています(その後1年間休学)。

個人誌『春の夜に降る雨は』は、かつて『樹林』に掲載された小説をまとめたもの。

収録順に、『樹林』2013年11月(在特)号に掲載された表題作、2016年8月(秋期)号掲載作「秋の真昼に舞う蝶は」、2015年6月(在特)号掲載で、第36回大阪文学学校賞〈小説部門〉を受賞した「沈める寺で」、2021年5月(春期)号掲載作「風の過ぎゆく」の計4編。

「後書き」では、文校のことも紹介してくれています。

早高さんは現在、文芸同人誌『カム』に所属しているほか、個人でも同人誌を作成して、文学フリマ等に出店しています。
2021年には、「くらやみ尾道」で、第2回尾道てのひら怪談優秀賞を受賞しました。

『春の夜に降る雨は』は、早高さんのBOOTHで購入できます。
https://kyohayataka.booth.pm/

(しんどう)

《2024年秋期(10月開講)入学》4人目。大阪市鶴見区の女性が、昼間部・小説クラス(火)へ。学費に添えて、『樹林』へのカンパもいただきました。

「入学申込書」より先に、きょう、郵便振替(大阪文学学校名義)で学費の納入がありました。
別な郵便振替(大阪文学学校・葦書房名義)では『樹林』への寄付がありました。ありがとうございます。

事務局の角田さんが、在籍クラスの確認のために電話したところ、「後期高齢者」だと名乗られたそうです。

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【8/3記】
大阪市鶴見区の女性から、手書きの「入学申込書」が封書でとどきましたので、そこに記されている内容を紹介します。

●《入学のきっかけ・書きたいテーマなど》
【60年前、学生時、たまたま知った「文学」の学校。憧れました。そして再び、たまたま通りすがりに目にした「文学学校」のパンフレット。齢75にもなってることを忘れ、後先考えずに飛び込む(?)ことになりました。
<テーマ>は、日常の中に潜む悲喜こもごもを面白可笑しく、淡々と鋭く描けたらと・・・・。】
●《影響を受けた作品・作家》
【『風と共に去りぬ』『悲しみよこんにちは』『罪と罰』/漱石】
●《募集を何で知りましたか》
【お昼を食べに行った時、おうどん屋サンの近くでパンフレットを見つけました。場所は覚えてなく、帰宅してパンフレット(入学案内書)で確かめました。】

(小原)

【7/21毎日新聞<兵庫版>】・・方政雄さん(大阪文学学校修了生)、第1回アスベストセンター賞《文芸部門》の表彰を受ける。

兵庫県伊丹市の方政雄(パン・ジョンウン)さんは、2015年4月に大阪文学学校昼間部に入学し、休学を挟みながら24年3月まで9年間在籍されています。
方さんのアスベストセンター賞受賞については、7月18日・文校ブログで既報。
受賞作「光る細い棘」(小説集『白い木槿』所収)は、文校の図書室で読むことができます。

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●7月20日、尼崎市の「都ホテル」における方政雄さんの“受賞スピーチ”●
アスベストセンター賞の文芸部門賞をいただき、深い感謝とともに喜びを感じています。本当にありがとうございました。
小説集『白い木槿』(新幹社・2021年刊)に収めた「光る細い棘」が受賞の対象になりました。アスベスト疾患の兄は横たわる病院ベッドで、人工呼吸器を装着し、点滴用チューブを何本か体に刺したまま、苦しみながら逝きました。人間は窒息死が最も苦しいそうです。7年前、享年69歳でした。ここから北へ1キロほどの病院です。
深い悲しみ、なぜなんだ、なんでや、そして込み上がる怒り。こんなことがあってたまるか。この惨事を知らしめなければ兄は救われない、無駄死にだ、そんな思いを持ちました。
作品を書き始めましたが、あまりにも身近で生々しい様子(苦しいから人工呼吸器を自分で取り外すんです。本来は呼吸を助ける装置ですが、声をあげ引きちぎるように。最後は苦しみで人格が変わるほどでした。身内も近寄りがたい状態でした)を知っているだけに、弟視点では辛く筆が進めなくなり中断となりました。また友人もアスベストによる疾患で亡くなっていました。
思いなおし気合を入れ再び筆を握り「弟」からの視点でなく、他者を主人公視点にすることで、徐々に書き進めることができました。
久保田鉄工(ここから北へ約2.5キロ。現、クボタ本社阪神事務所)の下請けの臨時工として父が働き、朝鮮高校を卒業した兄は、当時民族差別がきつく働くところがないので、父の口利きでそこで働き、私と友人は高校の3年間夏休み中はそこでアルバイトをしました。兄は石綿パイプを削り(中ぐりで「継ぎ手」作成)、私らは工場の清掃や雑務でした。兄の旋盤の周りは石綿の切粉が霧のようにおおっていました。私らは工場隅をほうきで掃くと、ほこりがタンポポの綿毛のように空中を舞っていました。
 平穏な日常生活にひそんだ刃が「アスベストのわざわい(禍)」だと思っています。報道によりますと阪神淡路大震災(来年で30年)などのがれき処理などで飛散したアスベストによる健康被害が今後増加するだろうと報じています。(潜伏期間15年から40年、それ以上も)大震災は今や全国にもおよんでいます。静かな「時限爆弾」はすでに何人もの体の中で時を刻んでいるかもしれません。
私は毎年アスベスト検査を受けています。今年は先月6月18日に検査をし、昨日の7月19日に結果が出ました。「『現在』のところ異常なし」ということでしたが、明日は分かりません。咳き込むと手のひらをスキャナーのようにし、「棘」はないか静かに胸元をさすります。
この小説を、もちろん比べようもないですが、水俣病を語る小説「苦海浄土」(石牟礼(いしむれ)道子)のように「アスベスト禍」を語るときに読んでもらえれば、兄と友人の死は無駄ではなく、きっと二人は喜んでくれると思います。
この度の受賞、本当にありがとうございました。

《2024年秋期(10月開講)入学》3人目。50年以上前から文校の存在を知っていた奈良市の70歳女性が、通教部・小説クラスへ。“突発的に起きたテーマを書かねば死ねません。”

奈良市の女性から、直前に電話をいただいたうえで、オンラインで「入学申込書」がとどきました。
その「入学申込書」に書かれている内容を紹介します。
●《入学のきっかけや書きたいテーマなど》
【私は二十歳前と退職後に入学したいと思ったことがありましたが、諸事情で断念しました。
 その間、仕事(中学教師)の関係もあって、戯曲や雑文を書き散らして生きてきました。私の文章修業はもうこれでいいかと思い、終盤は別のこと(絵)に捧げようかと思っていたのです。
 しかし、突発的なことが起こり、どうしても書かねばならないテーマを抱えてしまいました。大げさに言えば、これを書かねば死ねません。人生の終盤にこれだけは書いておきたいと思ったのです。そして、どうせ書くなら、ただの自己満足に終わらず、専門家の先生方の指導の下、それなりのまとまったものにしたいと思いました。
 ただ、どのクラスに入れば一番私らしく書き進められるか分からなかったので、一応、上記のクラスを希望しました。しかし、今後変わる可能性もあり、半期だけの受講ということにさせていただきました。勝手なお願いで申し訳ありませんが、よろしくお願いいたします。】
●《影響を受けた作家》
【若いころは 太宰治、坂口安吾、ジャン・ジュネなどが好きでした。年取って、杉本苑子が好きになりました。】
●《募集を何で知りましたか》
【随分昔(50年以上前)のことで、よく覚えていません。】

(小原)

7月最後の組会は佐伯クラス。19名全員出席。★チューター、出身者ふくめ17名で、“暑気払い”に谷町4丁目の居酒屋に繰り出す。◆事務局は8月8日(木)まで通常通り開いています。その期間に、『樹林』在特号の小説部門1次選考の集計、詩部門とエッセイ部門の選考会、文校総会などがあります。

今春期の昼間部・本科小説・佐伯敏光クラスの構成員は、新入生12名をふくむ19名【写真は今日の組会模様・午後2時から5時まで】。昼・夜・通教あわせて25クラスのうち、昼・詩/エッセイ・中塚クラスの20名に次ぐ大所帯になっています。4月9日(火)に始まった週1回の組会だけでは提出作品の合評をこなせず、他の昼・夜間部のクラスより2回多い全15回の組会となりました。もちろんお盆明けも、他のクラスと同じく3回の組会があります。
6月27日の読売新聞(夕)で紹介されている大橋正教さん、7月4日の読売で紹介されている覚野弘美さん、お二人とも昼・佐伯クラスのメンバーです。
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■谷町4丁目の居酒屋(中国料理店)で繰り広げられた“暑気払いの飲み会”の写真が3枚とどきました。


(小原)