☆新刊紹介★月川奈緒さん(文校夜間部/松本クラス)第1詩集『いちご月の夜』(澪標/1,980円)
京都市右京区の嵯峨野に住む月川奈緒さんは、2017年4月に大阪文学学校に入学し現在、夜間部/詩・エッセイ/松本衆司クラスに在籍中。
この度、澪標から刊行した詩集『いちご月の夜』は、月や満月をテーマにしています。加えて、月川さんが子どもの頃から馴染んできた渡月橋(とげつきょう)、桂川、大堰川(おおいがわ)、大沢池、亀山公園、嵐電嵐山(らんでんあらしやま)駅などが出てきています。
また、バラ栽培家として著書も持つ93歳の父親・亀山寧<やすし>さんが日々手入れしているバラ園の中で、月川さんは“薔薇色カフェ・ラビアンローズ”を営んでいます。よって、32編収められている『いちご月の夜』の中には、バラをモチーフにした詩が3編載っています。
さらには、第39回(2018年度)大阪文学学校賞奨励賞を受賞した「ひろば」、第44回(2023年度)文校賞の本賞を受賞した「血闘」も収められています。
◎先だっての日曜日(26日)、電車を乗り継ぐこと2時間、“ラビアンローズ”をわが娘と二人で訪れました。バラの花びらを織り込んだケーキやクッキーを食べ、バラの花びらを浮かべたティーを飲んだ後、月川さんにバラ園を案内してもらいました。手入れが行き届いていることがよくうかがえ、だからこそ150種類に及ぶバラそれぞれが色鮮やかでした。
バラの花の咲く季節限定のため、今春の“ラビアンローズ”の営業は6月2日(日)まで、とのことです。5月30日(木)は定休日。
◎文校生たちも、グループや個人で、よく“ラビアンローズ”を訪れています。
23年6月2日・文校ブログ参照。
(小原)
●第1回/夜・詩の連続講座に、春の新入生2名、岐阜の通教部生、20数年前の文校OBなど15名出席 ●別室でもたれた第3回学生委員会に6名(うち1人はZoomから)参加
◎冨上芳秀・通教部チューターが担当する公開・詩の連続講座(春期1回目)は、今夜6時30分から9時まで、15名の出席でおこなわれました【写真】。
あらかじめの作品提出は14名からあり、12名が出席。
◎次回の公開講座は、6月8日(土)午後3時から、昼・詩の連続講座(春期1回目)です。1年前から近藤久也さん(詩人)が担当しています。
その講座の課題作品の提出締切は、6月1日(土)です。文校事務局まで、郵送か持参のこと。整理に手間取るため、メールでは受け付けていません。
今日までに6名から作品が届いています。
◆今夜、ほぼ同時刻に別室で、春期の第3回学生委員会が開かれました。
一昨日(25日)・昨日(26日)と2日がかりで、藤崎・イベント部キャップ、林・委員長、浅井・委員の3人が、夏季合宿の予定地を下見してきたそうです。その結果、7/14~15に予定されている夏季合宿は、概略、次のような行程にしようということになりました。
14日(日)11時 JR姫路駅集合⇒姫路城/姫路文学館⇒[JR播但線]福崎町(泊/文殊荘) 15日(月・休日)[貸切バス]柳田國男記念館⇒出石城⇒豊岡市・植村直己冒険館⇒17時 JR姫路駅解散 【5/13学生委員会で案の出ていた城崎温泉は時間がなくて取りやめることになりました】
※宿舎に定めた文殊荘(もんじゅそう)は、食事が豪華で、播磨平野を一望できる大浴場が備わっているとのことです。
そのほかに、今夜の学生委員会では、5/12文学散歩を特集する「学生新聞・コスモス」の6月中旬発行、6/9(日)に開催する“『樹林』6月・在特号”合評会の段取りについて話しあわれました。
更に、各クラスに《学生委員会との連絡員》の選出をお願いすることが決められました。学生委員会の活動をよりよく知ってもらうために、各クラスに最低一人は学生委員会の連絡員がいるようにしたいとのことです。その連絡員は学生委員会の集まりに出席する必要はなく、委員会がメーリングリストで発する連絡事項を各クラス内に伝える役目をになってほしいとのことです。
◎学生委員会はいつでも、新しい委員を募集中です。Zoomからも参加できます。
学生委員会は、隔週月曜日の夜開かれています。次の第4回学生委員会は、6月10日(月)午後7時からです。
各クラスからいろんな人が集まってきています。
1回だけでもいいですから、気軽にのぞいてみてください。
(小原)
細見和之・文校校長/京大教授が、6月1日<土>13時10分~45分、京大吉田寮祭にギター演奏でライブ出演します。会場は吉田寮の食堂です。
藤岡陽子さん(小説家/大阪文学学校修了生)が特別審査員を務める「さばえ近松文学賞~恋話(KOIBANA)RETURNS 2」の締切(6月末)迫る!
●「さばえ近松文学賞」のHPより●
世界に誇る文豪・近松門左衛門が生まれ、多感な少年時代を過ごした福井県鯖江市。「近松作品の原点になったまち さばえ」が再び恋にまつわる短編小説を募集します。
[ 募集要項 ]
恋にまつわる短編小説。※男女の恋愛だけに限らない。400字詰め原稿用紙10枚まで。
小説の中に、最低1ヶ所は鯖江に関する歴史・文化・産業などを入れてください。
◆文校修了生の藤岡陽子さんについては、24年3月26日・文校ブログ参照。
(小原)
●新入生「ハガキ一枚」課題●・・・◆作品発表・第3弾【通教部・鴨居みこさん/通教部・田中風子さん/昼間部・司元<つかさ・はじめ>さん】★未提出の方、急いでください【できればメールで】。締切は5月31日(金)です。
今春の新入生59名全員に提出をもとめている〈課題ハガキ〉の既着分の中から、とりわけ印象的な作品を紹介する《第3弾》として、通教部2名、昼間部1名の作品を取り上げます。
すでに文校ブログに載せた《第1弾》は通教部・立花十子さん、同・鈴木悟さん、昼間部・廣瀬浩さんの作品(5/7文校ブログ)、《第2弾》は通教部・海本友子さん、夜間部・TAさんの作品(5/18文校ブログ)でした。
提出作品は全て、8月発行の「文校ニュース」に載せ、文校の多くの皆さんの眼に触れられるようにします。
課題のタイトル6つについては、4/27文校ブログ参照。
(小原)
☆ ☆
文学学校入学にあたって
鴨居みこ(通・小説・谷口クラス/長野県諏訪市/55歳)
私は根無し草です。子供時代は関東の四つの小学校と二つの中学校に通いました。その後も転居の多い人生です。
関西に住んだことはありませんが、両親は京都と大阪の生まれでした。同居の祖母との三人掛かりの関西弁を浴び、私は関西弁を喋る子供となりました。周囲との違いに気づいたのは、小学校低学年の頃です。「あかん、あかん!」なんて、誰も言わないのです。その後は、外では標準語を心がけました。
そんな私は大阪に勝手な親近感を抱き、スクーリングで皆様とお会いすることを楽しみにしていますが、心配もあります。オーストラリアに古い英語が、カナダに古いフランス語が残るように、言語というものは、その中心地では変化し続け、中心から離れた土地では古いスタイルが残るらしいのです。目の前のお相手に釣られて、標準語と古くて滑稽な関西弁とを行ったり来たりする残念な自分が目に浮かびます。また、家庭内で使われなかった単語のアクセントは、さっぱりわかりません。特に地名です。道頓堀とか天王寺とか、謎すぎます。
さて皆様。スクーリングの折に喋りの安定しない中年女がいたら、それは私です。よろしゅうおたの申します。
☆ ☆
文学学校入学にあたって
田中風子(通・詩エッセイ・冨上クラス/神奈川県茅ヶ崎市/79歳)
最近、自分の死について考えることが多くなった。年齢でもあるし友人や身近な人の訃報を続けて耳にするからかもしれない。
今まで多くの死に出会ってきた。死の訪れが本当に様々であり一人として同じ死はなかったように思う。人生という海を何とか渡り切って岸辺にたどり着いた人にとっては多少は納得できるものであろうか。けれども理不尽に航海の途中で船を降りる人にとっては辛いものであるに違いない。
三年前、この町で七十六歳の夫が妻にのこぎりで首をひき殺されるという事件があった。結婚してからずっと、夫の虐待に耐えていた、妻の心が壊れた末の犯行だったようだ。判決は懲役八年、執行猶予はつかなかった。人を殺すのが絶対悪であっても、その前に妻のすべてが拒否され、人間としての心が壊れている者に人間の立場で罰を下す。私にはなにも言えないがそこは神の領域ではないのかと思ってしまった。裁判長は男性であった。その女性は長い抑圧に耐えた末、また八年もの懲役生活を生き延びることが出来るのか、胸が痛かった。死ぬこと位は平等であってほしいと思うものの、死は生の続きであるのだからそうもいかない。
文学学校に入ろうかと迷っているとき息子が言った。「人生は一回きりだぞ、思い切ってやりなよ」と。無茶を承知で飛び込んだ。後悔のない人生を送りたい、だがそんなものはないと思っている自分もいる。その先にどんな死があるかわからないが、今はそれだけを目指している。
☆ ☆
最近強く思うこと 《パレスチナの残酷をなくせ》
司 元(昼・小説・佐伯クラス/大阪市/63歳)
昨年十月にパレスチナのハマスがイスラエルに奇襲攻撃を仕掛け、千人以上のイスラエル人を殺し、数百人の人質を取りました。その報復にイスラエルはパレスチナ・ガザに侵攻、すでに子ども、女性を含め三万五千人以上のパレスチナ人を殺しました。ハマスはイスラエルがヨルダン川西岸で不法な入植を続け、意にそわないパレスチナ人を殺し、何千人も拘束している。天井の無い牢獄と呼ばれるガザも数十年にわたって封鎖されている。世界の関心が及ばない中、自らの手による正義の攻撃だと主張します。イスラエルはハマスがいる限りイスラエルの安全は保障されない。ハマスを根絶やしにするための自衛の報復だと正義を称えます。
どちらの正義が正しいかを争っても平行線をたどるだけです。ましてや「正義の殺人」はありません。今はお互いの正義を横に置き残酷を止めましょう。「子どもを殺すな。虐殺するな。民間人を楯にするな」。まずイスラエルは攻撃を止めガザから撤退しよう。ハマスはイスラエルの民間人人質を釈放しよう。『今起きている残酷を止める』、そこからです。歴史を振り返る、未来を語る、正義を求めることも、「残酷」を止めてからしましょう。
梅田、京橋、堺でイスラエルのガザ攻撃中止を求めるスタンディングが行われています。ご参加ご希望の方は司元までご連絡ください。