4/28文校に来ていただいた吉増剛造さんが、東京虎ノ門で“吉増剛造展「ネノネ」”を開催中!6月1日(土)まで。
“吉増剛造展「ネノネ」”についての詳細は、次の公式サイトをご覧ください。
https://signing.co.jp/signal/
◆吉増剛造さんをお招きし大阪文学学校で催した4/28特別講座については、4月30日・文校ブログを参照。教室聴講94名、Zoom視聴19名の参加がありました。
(小原)
春期58人目の新入生。オンラインでいきなり「入学申込書」がとどく。68歳男性が、昼間部・小説・佐伯クラス(火)へ。◆いつでも昼・夜間部のクラスゼミを見学OK。今日は、昼間1人、夜間1名の見学あり。
電話やメールによる事前の問い合わせがないままに、19日(日)、神戸市の68歳男性からオンラインで「入学申込書」がとどいていました。20日(月)、電話をしましたが通じないので、「学期が始まってしばらく経っていますので、学費は1万〇千円引きで結構です」とメールしました。すると今日(火)には、ネットバンキングで指定の学費が振り込まれていました。ありがとうございます。
◎入学のきっかけや書きたいテーマなど =
【しばらく前から…この10年ほどですか、わたしは、論文ではなく、小説の形で何かできないかと思い、一時期練習もしておりましたが、そのうち、なぜこんなことをするのか、自分でも、わからなくなってしまいました。とくに小説が好きでもなく、言いたいことは一般的な散文にのせるだけのこと、それをなぜ、わざわざ妄想に浸って、細かな描写をあたえ、物語を紡ぎだしているのか…と。結局、美的世界へのあこがれとは裏腹に、だんだんと創作からは遠ざかるようになり、文学とは何か…文学の機能とは…と呟きながら、文学を〈勉強〉する、あるいは、文学であそぶ、日々をおくるに至ったのでございます。
そんな折、木ノ下歌舞伎の木ノ下裕一が、江戸文学にかんする公開講義をおこない、わたしは、その、座付作家たちの創作術や、木ノ下自身の舞台制作のノウハウを聴きながら、次第に、文学とは何か、というようなことが、あまり気にならなくなっている、そんな気がしたのです。
どのような形式であれ、書くことは、しんどいので、このままでは、何も起こりそうにありません。しかし、それでは、どうにもつまらない。そして、真摯で迷いのない文学人に、わたしは、たしかに、風を感じた。だから、文学を話し、聴く、機会を求めることは、戦略的に有効だろう、以上のように考えたことが、今回入学を求めるきっかけです。】
◎影響を受けた作品・作家・詩人名 =
【一般的には、サルトル、廣松渉、フーコー、ソーシャルワークの考え方。
好きな文学は、チェーホフ、究極の理想は神西訳「かわいい女」、他方「大学生」等多数。山本周五郎、「橋の下」等多数。池田健太郎訳ドストエフスキー、シーンの迫力。川端康成の数編、「雪国」「水月」の艶やかさ。カズオイシグロ。】
◎募集を何で知りましたか =
【大阪文学学校の存在は、昔から知っていた、カモカのおっちゃん、好きでしたし…募集については、ネットで調べた。】
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◆大阪文学学校に関心のある方、入学を検討されている方は、いつでも昼・夜間部のクラスゼミを見学できます。新入生(本科)クラスは、どの曜日のどの時間帯にやっているのか、文校HPのトップページでご確認ください。
メールでも電話でも、事務局までご連絡いただければ、見学予定の日に合評するクラス生作品をお届けします。
また、6月23日(日)に行われる通教部スクーリングも見学できます。
(小原)
『樹林』6月号(在校生作品特集/通巻703)が仕上がってきました。◆5月号(本誌・春期号)は来週初めに納品予定。
大阪文学学校学生委員会が編集する『樹林』6月(在校生作品特集)号が昨日(月)の昼、仕上がってきました。早速、通教部生(136名)、通教部チューター(12名)、休学生(91名)、定期購読者(37名)の皆さんへ郵送しました。また、出版社・新聞社・図書館・文学館等にも寄贈しました。元チューターなど文校関係者、お世話になっている各地の作家・詩人の方へは、来週28日(火)に仕上がってくる予定の『樹林』5月号(本誌・春期号)といっしょに6月・在特号をお届けします。
昼・夜間部のうち文校教室で組会(ゼミ)をおこなっているクラスは、教室の机の上から6月・在特号を一冊ずつ持ち帰ってください。組会にZoomで参加している皆さんには順次、郵送することにします。
◆『樹林』6月・在特号の送付に際し、通教部生には次のものを同封しました。
①6/9学生委員会主催の6月・在特号合評会の案内チラシ ②次回の『樹林』24年11月・在特号の「掲載作品および選考委員募集のお知らせ(応募用紙付き)」チラシ ③『樹林』11月・在特号の「選考委員大募集」チラシ の計3点。
休学生へは、①と②の一部を同封してあります。
◆『樹林』在特号は、文校の学生たちの手によって、作品の募集から、選考、編集、合評会までおこなわれ、『樹林』の1冊として年2回発行されています。
今回の6月号には、詩6編、エッセイ3編、小説6編の在校生作品が収められています。各選考委員の選考評なども含めて総178ページ。
◆オモテ表紙のイラストは、谷良一さん(夜間部研究科・休学中)、ウラ表紙のそれは見峠りつ子さん(3月に昼間部研究科修了)。編集後記は、23年秋期在特号キャップの林隆司さん(夜・大西クラス)ら4名が執筆。
◆6月9日(日)正午から文校教室でおこなわれる学生委員会主催の6月・在特号合評会には、掲載作者、選考委員はむろんのこと、在校生や新入生、休学生も気軽に参加してほしいとのことです。
(小原)
今夜の公開/夜・文章講座〔担当;津木林洋チューター〕は午後6時30分開始で、10時58分に終了。なんと、4時間28分の長丁場! 最初、新入生9名、文校OB3名など35名の出席があり、18名が最後まで残る。作品提出32名中、30名出席。
津木林洋チューターが半年に3回、夜・文章講座を担当するようになったのは21年秋期(第1回は11月15日)。今夜、参加(35名)、作品提出(32名)、講義時間(4時間28分)とも過去最高を記録しました。
あらかじめの作品提出は32名からありましたが、そのうち2名が欠席。提出全作品のコピーを配布。出席の作者が読み上げる各作品に、津木林チューターは詳しく鋭く批評をくわえていきました。また、作者コメントの時間を設け、会場から一作ごとに出る質問や意見にも懇切に答えていました。
◎次(春期2回目)の津木林チューターの公開/夜・文章講座は、通教部スクーリング翌日の6月24日(月)午後6時30分からです。その講座に向けた課題作品の締切は、6月15日(土)です。厳守。文校事務局まで郵送か持参。
◆今度の公開講座は5月27日(月)午後6時30分からで、冨上芳秀チューターが担当する春期1回目の夜・詩の連続講座です。その講座に向けた課題作品は、18日(土)に締め切りました。提出のあった詩作品14編はまとめて、冨上チューター宅へ郵送してあります。
(小原)
●新入生「ハガキ一枚」課題●・・・作品発表・第2弾【通教部・海本友子さん/夜間部・TAさん】★提出まだの方は、急いでください。
今春の新入生57名のみなさんに提出をもとめている〈課題ハガキ〉の既着分の中から、5/7文校ブログで取り上げた立花十子さん、鈴木悟さん、廣瀬浩さんの作品に次ぐ第2弾として、海本友子さん(通教部/75歳)の「文学学校入学にあたって」とTAさん(夜間部/31歳)の「私のふるさと」を紹介します。
〈課題ハガキ〉の締切は、5月31日(金)必着です。提出作品は全て、「文校ニュース」に載せ、文校の多くの皆さんの眼に触れられるようにします。
ハガキの代わりに、メールで送っていただいてもかまいません。むしろ、そのほうが助かります。 【小原】
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文学学校入学にあたって
海本友子(通・エッセイ/ノンフィクション・菅野c 岡山県倉敷市)
なんだかまた思春期のような。私の心も日常も揺れている。
今日まで、仕事、子育て、コミュニティなどなど、とりあえず人並みにこなし、ひた走りに走った。すべてがまずまず。安定の人生。
でも、あの混沌とした思春期がかえってきてしまった。
原因は、文校だ。送られてくる冊子や雑誌、ブログ記事、情報に揺さぶられている。
中学校、高校、大学で言葉を扱う教員をし、ちょっとした文章も様々に書き、発表もしてきたが、上澄みだけだったと思い知ることになり、悲しくなっている。
今まで気になりながら読んでない本、文校関係で知った本、溜め込んでいる何十年分の文藝春秋、オール讀物の芥川賞、直木賞などなど、片っ端から読んでいる。
第1回目の作品提出には、締め切りと自分の目標枚数を目指して書いた。初めて50枚を目標に書いた。こんなにも書けないのかと惨憺たる思いをしたが、達成感はあった。
予想以上に早く届いたチューターからの講評、いや~早い!。厳しくも丁寧、的確!こんなに真っ正面から自分の文章を読んでもらったのは初めてだ。真っ赤になった原稿がうれしい。
こうしている間にも2回目の原稿提出日が近づいてくる。今までの経験もキャリアも吹っ飛んで、本当に新入生、老いる間もない思春期だ。
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私のふるさと
TA(夜・小説・西井c 奈良市)
私のふるさと、愛媛県がなぜダメなのか。まず、性格がおだやかすぎる。これについては、完全に瀬戸内海が悪い。瀬戸内はいつも湖のように凪いでいる。それを見てほっこりしながら、愛媛県人はみな大人になっていく。
挙げ句、愛媛県人はどうなるか。あるとき道後でこんな光景を目にした。商店街にある茶屋が「一六タルト、揚げてみました!」と書いた旗を得意げに店先に出していた。愛媛県人よ、目を覚ませ。そんなことは得意げに言うものではない。
高知県を見よ。高知県人は日々太平洋の荒波にもまれながら、命を懸けて生きている。竜馬が生まれるのも当然である。
愛媛県人よ、君達は知っているか。彼ら高知県人がカツオに寄生するアニサキスをボールペンの芯に詰めて売っていることを。間違いない。私はこの目でそれを見たことがある。愛媛県人よ、君達がタルトを揚げて喜んでいる間に、高知県人は、必死の形相でアニサキスをボールペンに詰めているのである。
愛すべき愛媛県人よ、『坊ちゃん』という小説があるだろう? 君達はこれを大層有難がっている。「坊ちゃん団子」「坊ちゃん列車」などと、ぼっちゃんぼっちゃん言って喜んでいる。
けれど、あれは愛媛県人を小馬鹿にした小説である。あれは愛媛県人がいかにうだつの上がらない民であるかを、一々あげつらった書である。どうだ、愛媛県人よ。君達は一度でもあの小説を読んだことがあるか。
愛すべき愛媛県人は今日も平穏に生きている。