文校ブログ

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5/12(日)新入生歓迎・文学散歩の参加申込は、31名になりました!まだ申込を受け付けています。◆懇親会の会費は、飲み放題付きで3000円。こちらの申込は、明日〈10日〉午後6時まで。

申込・連絡は・・・
大阪文学学校学生委員会イベント部〈bunkou.ibento@gmail.com〉

5月8日・文校ブログ参照。

5/12(日)新入生歓迎・文学散歩(大阪四天王寺界隈)の参加申込、25名突破!★春期新入生9名に津木林・昼間部チューター、事務局の小原も参加します。★当日飛び込みでもOKですが、参加申込は急いでください。散歩のあとの懇親会の申込は、店の予約の関係で10日(金)夕方までに。

12日の“春の文学散歩”への新入生の参加申込は、今日・8日午後11時30分現在、9名にのぼっています。
半年前(通天閣・新世界/総勢37名)、1年前(NHK大阪・大阪歴史博物館・大阪城/総勢22名)とも新入生は5名でしたから、今回の9名は際立ちます。この企画を仕切っている学生委員会の面々もとても喜んでいます。

今回の文学散歩は、12日午後1時、大阪メトロ谷町線の四天王寺前夕陽ヶ丘駅4番出口(地上)に集合です。四天王寺のほかに、一心寺(お骨佛の寺)、安居神社(真田幸村最後の地)、統国寺(ベルリンの壁)などをめぐります。
懇親会は、JR天王寺駅近くの“勝男”でやります。懇親会だけの参加でもOKですが、10日(金)夕方までに、学生委員会または事務局まで申し込んでください。

4月20日・文校ブログ参照。

◆学生委員会は、新しい委員を募集中です。
学生委員会は、隔週月曜日の夜開かれています。今度は、5月13日(月)午後7時から。
各クラスからいろんな人が集まってきています。
1回だけでもいいですから、気軽にのぞいてみてください。

(小原)

昨夕(7日)の朝日新聞・社会面に、金時鐘さん(詩人/文校特別アドバイザー)が登場! 藤本巧さんの写真集『金時鐘詩篇の風景』の刊行に関連して。

◆金時鐘(キム・シジョン)さんには“大阪文学学校特別アドバイザー”の任を引き受けていただいています。(もう一人の特別アドバイザーは、直木賞作家の朝井まかてさん)
金時鐘さんは、2015年2月まで18年半、年6~10回のペースで、公開“詩の連続講座”を受け持たれていました。その最終回(15年2月21日)は、在校生・OBやファン180名で大阪文学学校の教室は埋めつくされました。メディアも、朝日・共同・読売・NHKが取材に来ました。
2015年2月21日文校ブログ参照。
またそのときの模様は2日後、“詩人金時鐘さんが最終講座――現実認識における「革命」”と題して、共同通信社のyoutubeチャンネルにアップされました。金さんの冒頭の発言、受講生作品への寸評の様子、参加した文校生の感想などが取り上げられています。
https://www.youtube.com/watch?v=dqsyig1MfVk(youtube 共同チャンネル版)
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◆現在、藤原書店より『金時鐘コレクション』全12巻を刊行中。この3月に9冊目(『Ⅴ――日本から光州事件を見つめる 詩集『光州詩片』『季期陰象』ほかエッセイ』)が配本されました。文校の図書室には今までに刊行された9冊全て揃っています。
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◆2022年10月、金時鐘さんは「第4回アジア文学賞」を受賞されています。「アジア文学賞」は、韓国・光州市の国立アジア文化殿堂が主管する国際文学賞です。
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◆2022年5月、大阪市生野区のコリアタウンの一角に建てられた石碑「共生の碑」の裏面には、金時鐘さんの詩が刻まれています。
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◆朝日新聞「文化・文芸」面の(語る 人生の贈りもの)欄で、2019年7月17日から8月9日<日曜と火~金曜>まで全15回にわたって、金時鐘さんの生きてきた道が紹介されています。

(小原)

今春の新入生55名(夜15、昼18、通教22)の皆さんへの「ハガキ一枚」課題、今のところ9名から届いています。◆作品発表・第1弾【通教部・立花十子さん/同・鈴木悟さん/昼間部・廣瀬浩さん】

春期新入生55名の皆さんへこの連休中に、郵送と文校ブログを通じて、ハガキ一枚の課題を出しました。
【◎私のふるさと ◎文学学校入学にあたって ◎私を売り込みます ◎私の歩んできた道 ◎私だけのもの ◎最近強く思うこと】という六つのタイトルのうちからひとつを選び、所定のハガキ一枚に400字~600字ほどで書いて〈ワープロ・パソコン可〉、事務局へ持参か郵送してください、とお願いしてあります。
まだ出していない方、ハガキのかわりに、メールで送っていただいてもかまいません。むしろ、その方が助かります。締切は5月31日(金)必着です。提出作品は全て、「文校ニュース」に載せ、文校の多くの皆さんの眼に触れられるようにします。
        *      *
今日までに9名の方から届いているのですが、その中から、立花十子さん(通教部/46歳)、鈴木悟さん(通教部/69歳)、廣瀬浩さん(昼間部/66歳)三人の作品を紹介します。【小原】

        ☆       ☆ 
 私だけのもの  立花十子(通・小説・美月C/大阪府堺市) 

 以前、七畳一間のワンルームで暮らしていた。壁際にあらゆるものが収納されていて、手を伸ばすだけで、すべてのものが取り出せた。
 駅もスーパーもパン屋も近かった。鎌倉創建の由緒正しい古刹がご近所で、休日、窓を開けると、うららかな日差しとともに、線香の匂いが流れて来た。駐車場の壁を乗り越えた大木の枝が、心地よさげに揺れながら、アスファルトに影を落としていた。
 仕事帰りに買えば用が足りるので、料理はほとんどしなかった。空っぽの冷蔵庫は、いつのまにか、本棚になった。
 ある夜、近くに雷が落ちて、辺り一帯が停電した。私は、小さなテーブルで一人前の鍋を作ろうとしていた。しばらく、じっとしていた。闇の中、簡易コンロの火だけが青々と光っていた。どこかへ行くことも考えたが、町は静寂で覆われていて、広範囲の停電が予想された。とりあえず、鍋の中身を口に入れてみた。驚いたことにほとんど味がしなかった。味覚は視覚あってのものだということを、そのとき知った。

        ☆       ☆ 
 文学学校入学にあたって 
 鈴木悟(通・エッセイ/ノンフィクション・菅野C/宮城県登米市) 

 白や赤のつつじが咲く庭に突き出したウッドデッキにパソコンを持ち込んでいる。ここは東北の片田舎。日差しは穏やかで、風も心地よい。離れのステレオからは、カザルスのチェロの演奏が流れている。
 小千谷ちぢみの浴衣に袖を通し、行きつけのカフェの自家焙煎珈琲を注ぐ。妻が手ぬぐいで編んだ草履を履き、広辞苑をそばに置く。そして「大阪文学学校ブログ」を開いて、宿題にとりかかろうとしている二〇二四年五月五日午前十時十七分。
 お酒の勢いで文学学校に入学して二カ月がたつ。昨日は『夢を売る男』を読んだ。今日は『バッタを倒しにアフリカへ』を。自分では選ばない本を読むのが面白い。読書ノート提出という縛りがよい。
 自分の作品は、なかなかすすまない。それでも、古希を迎え、仕事に忙殺されながらも、文学という「知的で高尚な遊び」の時に身を委ねていることに酔っている私。今は、このことが、文学学校に入学した最大の意義かもしれない。ただ、このままでは終わらないと思っているもう一人の自分がいる。
また、鶯が鳴きだした。

        ☆       ☆ 
 最近強く思うこと  廣瀬浩(昼・小説・夏当C/大阪府枚方市) 

 六十六歳。家庭においても、会社においても必要とされる場面が激減した、情けないが現実である。二十の頃、六十六歳は老人と思っていた。実際に自分がその年齢に達し、多少分別臭くなっただけで、ほとんど成長していない自身の脆弱な精神構造に気づき愕然とした。運動身体的な衰えを枚挙すれば暇がない。頭は物覚えが悪くなり、有名人の名を思い出すのに「○○に出演して、○○の役で……」周辺部分ばかり思い出し肝心の人名が思い出せず、全く場違いの時に思い出し一人手を打つ。筋肉としての頭脳の衰えだろう。
 結婚、子育て、親の介護も経験し、自身の親は看取った。配偶者の親の介護が本格化しそうな状況ではあるが、精神的に成長しないのは何故? 過去の文学青年が急浮上してきた。今なら間に合う「小説を書きたい」そんな思いが膨れ上がり文学学校の門を叩いた。年齢を経て深い洞察力が身に付き、第三者に共感できる描写、身上吐露ができるかと言えばそんな訳はない。入校間もないがチューターの指摘、同好の士達との出会いが私を成長させてくれている。最近強く思います、入校して良かったと。

【4月28日<日>】東京から吉増剛造さん(詩人)をお招きしての公開・特別講座に教室聴講94名。内訳は、文校チューター8名、在校生33名、休学生5名、文校OB・OG10名、一般38名。自宅からZoom視聴19名(うち文校チューター3名)。


●《一昨日(28日)午後2時、東京から吉増剛造さんをお招きし、公開・特別講座ははじまりました。《演題》は「詩とは何か――土方巽(ひじかたたつみ)の舞踏言語をめぐって」で、[聞き手]は文校と縁の深い倉橋健一さん(詩人・文芸評論家)でした。司会を務めたのは、細見和之・大阪文学学校校長。》


●《教室に集った94名のうち一般参加は、東京や長野など遠来からも含めて38名。新旧の文校OB・OGも10名。85歳になる吉増さんの人気は衰えず――》


●吉増剛造さん


●倉橋健一さん

◆以下に、特別講座の模様を、司会の細見校長にまとめてもらいました。
【吉増さんによる独特のカラー刷りのテクストを、吉増さん自身が読み上げてゆくところからはじまった。それは、土方巽の舞踏を言語として読むのではなく、土方巽が書き残した、飛躍の多いテクストから、言語そのものの舞踏を読み解くような試みだった。倉橋さんはそこに吉増さん自身のテクストの特異さを重ねて語っていった。書き上げられたテクストを残すべきか焼くべきかという議論もあった。詩の可能性、言葉の可能性は、瞬時に焼き尽されるテクストのうちにのみあるのではないか。土方の言語=舞踏はそんな強い思いを吉増さんに抱かせているようだった。】

◆会場との質疑応答のコーナー(30分)に移って、一般と在校生で計6名が質問に立ちました。吉増さんはそれぞれにゆったりと丁寧な回答を返されていました。
最後に、葉山郁生・大阪文学協会代表理事が挨拶して、2時間の特別講座を盛況のうちに終えました。

◆文校事務局で取り寄せていた吉増さんの講談社現代新書『詩とは何か』の販売を受付でおこないましたが、講座が始まる前に15冊が完売。講座終了後のサイン会には、自宅から吉増さんの詩集を持参して来ていた人もふくめ25名ほどの列ができました。

◆その後、午後5時前から、文校近くの中華料理店において、吉増さんを囲む“懇親会”を持ちました。みんなで20数名。

(小原)