【2月15日】藤岡陽子さん・玄月さんをお招きしての公開/特別講座に教室54名――在校生は岡山・愛知・埼玉からも。Zoom視聴41名――在校生は熊本・福岡2名・愛媛・岡山・福井・長野・静岡・千葉・福島・北海道、一般は岡山・東京、OBは石川からも。
◆一昨日(15日/土曜)午後4時、大阪文学学校修了生のお二人――藤岡陽子さん(第45回吉川英治文学新人賞受賞/文校には1999年に1年間、2006年に1年間在籍)、玄月さん(第122回芥川賞受賞/文校には1994年10月から2年間在籍)――をお招きし、公開/特別講座ははじまりました。【小説創作へのアプローチ――藤岡著『リラの花咲くけものみち』をテキストに】のタイトルで、司会を務めた葉山郁生・大阪文学協会代表理事を交えた三人によるディスカッションが繰り広げられました。
◆藤岡さんの『リラの花咲くけものみち』(光文社)は今、土曜ドラマ[全3話]としてNHK総合で放映されているところで、午後10時から[最終回]が流されるという記念すべき日でもありました。
ディスカッションの冒頭は、小説を書き始めるにあたって、“プロットを立てるか”どうか、についてでした。“立てない”派の玄月さんに対して、“立てる”派の藤岡さんは、“スタートする前に何日間もかけてプロットをつくっている”とのことでした。資料として、『リラの花咲くけものみち』の実際のプロット書き3枚(全8章のうちの1章全部と2章途中まで)がプリント配布されました。
「章ごとにも山場のあるストーリーををつくる」という藤岡さんに対し、玄月さんは「雪だるま式で話を進める。行き詰ったら、触媒になる人物を登場させて化学反応を起こさせる」ようにしているとのことでした。
葉山さんを交えて、興味深いやりとりが随所にありました。
藤岡さんの心に残る話をひろえば――「セリフがぶれるとキャラクターもぶれる」、「取材のとき見たもの全てをメモにとっている。そのノートを小説の場面描写に活かす」、「読んだ人にどんな気持ちになってもらいたいか、何を伝えたいか、を考えることは大事」。
最後に、玄さんと藤岡さんの話が一致したのは、「自分の作品を仕上げていくうえで、他人のアドバイスはとても重要。プロ作家になったら編集者がつくが、文校の皆さんにはチュターやクラスの仲間がいる。自分の作品の修正に役立ててほしい」。
◆会場との質疑応答のコーナー(30分)に移って、在校生6名が質問に立ちました。書いていくうえで突き当たっていることなどの質問に対し、藤岡さんと玄さんは丁寧な回答を返されていました。
最後に、細見和之・文校校長が挨拶して、2時間余りの特別講座を盛況のうちに終えました。
◆文校事務局で取り寄せていた藤岡さんの『リラの花咲くけものみち』15冊、最新刊の『森にあかりが灯るとき』(PHP研究所)8冊の販売を受付でおこないましたが、完売しました。講座終了後のサイン会には、自宅から藤岡さんの著書を持参して来ていた人もふくめ30名ほどの列ができました。
◆その後、午後6時30分から、文校近くの中華料理店において、藤岡さんさんを囲む“懇親会”を持ちました。みんなで20数名。
(小原)