新たに夜間部へ新入生4名。25歳男性、25歳女性、52歳男性、73歳男性。
4人を紹介します。
25歳の2人(奨学制度が適用されます)と52歳男性は夜間部小説クラス(金)、73歳の方は夜間部小説クラス(火)へ入学します。
◎[小説講座 大阪]で検索したら、一番上にでてきたのが文校だったという大阪市城東区の25歳男性の入学申込書は、次のようにびっしり書かれていました。
【昨年十月から小説の執筆を始めました。きっかけは仕事の休憩時間にTwitterのタイムラインを流し見していた時に広告として現れた、某文学賞の存在でした。広告を見た時点で既に締め切りまで後二週間を切っていた賞に執心し、その日の夜から執筆に取り組み始めました。そして二週間弱で何とか書き上げた小説には、今年の三月に「落選」という属性が付与されました。どうせ「落選」だろうな、そう思いながらもどこかで期待をしてしまっている自分が居た。脳内を限りなく埋め尽くす「落選」の海の中に、一滴だけ垂らしたインクのように実存していた「当選」への期待。今も私の心にはその期待が住み着いたままです。そのごく少量の、一滴のインクの存在だけを頼りにして、先週、文芸雑誌の新人賞に二編の小説を投稿しました。今、私の心には新たなインクが二滴垂らされています。全て異なる色味を持つ三滴のインク。それらは混ざり合って、それらが本来持っていたシンプルな色味や、純粋さを失っていく。それでも私は、自分の心にインクを落とし続けたいと思っている。純粋さを追求する事は諦めて。野心や承認欲求などといった、混沌と濁った感情に突き動かされて。(以下略)】
◎今春の体験入学に3度参加した大阪市中央区の25歳女性の入学申込書には――――
【コラムなのか、エッセイなのか、それとも詩か? 与えられたものを、まとまりもなく書いてきたが、今まで文章を(ことばを)習ったことがない。25歳でものを書こうなど生意気にも程があるが、一日一日はあっという間に過ぎていくものだ。評論家気取り、口だけにならぬよう、ものを書くという山を登るだけの鍛錬をしてみようと思った】
◎募集のことをホームページで知ったという兵庫県西宮市の52歳男性の入学申込書には――――
【40歳を過ぎた頃、美しいものを美しく撮りたいと思って写真学校に通い、50歳を越した今、美しい話を美しく描いて人に伝えたいと、この度、入学を決意しました。文学学校の存在を知った時から、心の中は、強い好奇心とあこがれが支配する一方、自分の書いたものが批評されるという不安で臆病な気持ちとが複雑に交錯していました。父との死別、子育てを経験し、サラリーマンを30年やり遂げ、気が付けば、人生、先々より振り返る期間の方が長くなってしまいました。 読んでよかったと言われる話、生死に関わる話、人を救えるような心を揺さぶる話を存分に書いてみたい。でも、書く術のない私は、ここで揉まれ、叩かれ、揉みくちゃにされないといけないのです。たとえ、ボロ雑巾になっても】
◎朝日新聞夕刊の短信記事で文校のことを知ったという大阪府摂津市の73歳男性の入学申込書には――――
【 普段から、少しでも分かりやすく正確で、読む人の同感や納得を得られるような文章を書きたいと望んでいます。先月下旬、朝日新聞で文学学校の募集紹介記事を見て、年齢を考えず27日夜の、詩・エッセイ体験入学を受講しました。ぜひとも書きたいというテーマはまだありません。しかし、文章は自分の意思を伝えるだけでなく、隠そうとしてもその人の人間性、知性、人格、世界観もすべてがあらわになる怖さがあると思っています。自分の想いやありのままの姿を正確に表現するための勉強の機会を得て、文章に「淫する」(体験講座で読んだ先生の表現にありました。)人たちとお知り合いになりたいと望んでいます】
(小原)