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新刊紹介☆須永和子さん(昼間部生)小説集『梁(はり)太き家』

堺市の須永和子さんは、昼間部・研究科小説・錺クラスに在籍。
私家版の小説集『梁(はり)太き家』には、9編の短編が収められています。佐久間慶子・元文校チューターを中心とする同人誌「繋」で発表した作品がほとんどですが、『樹林』本誌2012年夏号に掲載された「養豚四十頭」も入っています。

次に引用する一節は、巻末の「父のこと あとがきに代えて」からの抜粋です。
【 十代で家を出た私は、定年退職の翌日、大阪文学学校に行った。新聞記事に惹かれ覚束ない足取りで参加した体験入学。佐久間チューターがきびきび進める。作文の課題は「手」。頭に父の手が浮かんだ。大きな手のことを書いた。帰りに「また会いましょうね」と言われて、通うことにした。
 二〇一一年四月からの一年間、毎週チューターが紹介する作家たちに、知っていた人はほとんどいなかった。課題作品はびっしり添削して返された。小説の書き方を初歩から厳しく情熱的に教えていただいた。
 以来大阪文学学校に通って、父と母がモデルの小説がいくつかできた。事実と違うからこそ、生き生き伝わる、確かにあった世界、それが書けたらと思っている。】

(小原)