秋期(10月開講)新入生、2人目。夜間部・詩/エッセイクラスへ。
数日前にオンラインで秋期入学を申し込まれていた枚方市の52歳男性が、今夕文校に来られ、学費を納入されました。通教部へ申し込まれた長崎市の33歳男性につぐ2人目の秋期新入生の誕生です。
52歳男性はその後、10月からの希望クラスである夜・詩/エッセイ・高田クラスを見学されました。
入学申込書には、いっぱい書かれていました。どれだけ文校に憧れていたか、如何に文校に来たかったか、が綿々とつづられています。少々長いですが、以下にお付き合い下さい。
【文校の存在はかなり前から知っていた。「大阪に小説を真面目に勉強する学校がある」「田辺聖子(作品を読んだことはない)も文校の卒業生」等だが、当時私は今で言う「ブラック企業」に相当する会社に勤めるサラリーマン。残業手当は1円も出ず、土日もへったくれもない。もの書きなどを考える余裕もなかったはずなんだが、持て余していた時間を乱読多読と駄文の書き連ねで埋めていた学生時代からの憧れが身にしみていたのだろう、仕事帰りに出張先のスーパーで買った「文學界」に文校の広告が載っていた。それから20数年、これを時代の変化あるいは進化と言うのだろう、文芸雑誌の広告でしか知りようがなかった文校をHPで再び知ることとなったのである。文校を知ってからの我が身には紆余曲折があったが、現在は無収入ではないものの事実上無職である。よしやってみようと思い立ち、今年春の入学を考えたが、貧乏で収入が少ないくせに出費が多く、学費の捻出が困難となり、計画を実行する直前で計画を断念せざるを得なかった。さらにそこへ新型コロナと言う悪魔が来た。神様の悪ふざけとしか言いようがない場面の1つに「身近にいる異性ほど思いが伝わらない」ことが多々あるように、私にとって文校は「身近で手が届かない存在」だと観念した。しかし神様の悪ふざけはエスカレートし、一国の首相に取り憑いて政府に国民1人に一律10万円の給付を約束させたのである。政府の約束から実行までかなり待たされたが、これで半期分だけでも学費の工面ができた。悪魔も負けてはいない。世界の経済に打撃を与えた新型コロナウィルスは私が月100ドル(日本円にして約1万1千円)を積み立てていた海外の旅行会社の旅行企画にまでおよび、(詳しくは書けないが)私を月100ドルの出費から解放してくれたのである。10万円の入金と言い月100ドルの出費ストップと言い、正に新型コロナ様サマである。「他人の不幸は蜜の味」と言う。新型コロナで多くの人が亡くなり、文校の運営スケジュールにも影響を来たし、文校スタッフの苦労も計り知れないものがあったとは思うが、私は文校入学の切符を手にしたのだ。秋に入学する文校の教室は、私の嗅覚にとって蜜の香りで満たされているであろう。】
(小原)