祝☆平石蛹さん(文校修了生/25歳)が第57回北日本文学賞・選奨を受賞。文校関係者で選奨(第2席)受賞は2018年以降では、4人目!
2019年10月から1年間、大阪文学学校夜間部・西井クラスに在籍されていた平石蛹(ひらいし・さなぎ)さんの小説「渦の底から」が、宮本輝氏選「第57回北日本文学賞」(主催;北日本新聞社)の選奨に選ばれました。国内外からの応募958編の中で、第2席。副賞30万円。
平石さんの受賞作「渦の底から」(約30枚)は、1月9日(月)の北日本新聞紙上に全文掲載されていて、2月11日(土)午後3時からは富山シティエフエムでラジオ朗読されます。贈呈式は1月28日(土)、富山市内のホテルで。
下の引用は、北日本新聞ウェブから。
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■今だから書ける作品/選奨・平石蛹さん
初の応募で選奨に輝いた。原稿用紙30枚に収めることに苦心し、締め切り間際まで推敲を重ねた。「小説を書き始めてからずっと、北日本文学賞に挑戦したいと思っていた。『今年こそは』という思いで臨んだ」と語る。
受賞作は新型コロナの影響で勤務先が倒産し、アルバイト生活を送る20代女性がホームレスの男性と心を通わせる姿を描く。男性につらい胸の内を打ち明けると、将棋の駒で運試しすることを持ちかけられる。「コロナ禍の今だから書ける作品に仕上がったのかなと思う。不遇な時でも、前向きになれるきっかけが身近に転がっているということが伝わればうれしい」と言う。
物語の要となる将棋は小学生の頃、同居していた祖父と指したことがある。当時の記憶をたぐり寄せ、面白さを随所に取り入れた。「贈呈式には、ぜひ祖父と一緒に出席したい」と喜ぶ。
5年前、小説の執筆を始めた。大阪市で働きながら、時間を見つけて創作している。公募文学賞には10回ほど挑戦し、昨年は二つの賞で候補作に選ばれた。今回の選奨受賞を受け、プロ作家を目指す気持ちがより強くなったという。「これからも自分自身が読みたいと思うものを、時間をかけて書いていきたい」と話した。
◆プロフィル◆
ひらいし・さなぎ 1997年京都府生まれ。接客業。2022年女による女のためのR―18文学賞候補、ちよだ文学賞候補。
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◆大阪文学学校の修了生で、57回を数える「北日本文学賞」(第1席)を受賞された方は過去に、2人います。
◎第40回(2005年度)・・・飛田一歩さん・作品名「最後の姿」
◎第4回(1969年度)・・・山村睦さん・作品名「大鹿」
◆第2席にあたる「選奨」に選ばれた文校の修了生・在校生は今までに、6人います。7人目となる今回(第57回)の平石蛹さんは、この5年間に限ると4人目になります。
◎第55回(2020年度)・・・岡本佳奈さん・作品名「家外不安全」
◎第54回(2019年度)・・・囃方怯(はやしかた・ひるむ)さん・作品名「庭」
◎第53回(2018年度)・・・石井渉さん・作品名「ピカドンと天使と曼珠沙華」
◎第49回(2014年度)・・・三原てつをさん(昼間部研究科在籍中)・作品名「空の味」
◎第40回(2005年度)・・・藤岡陽子さん(『メイド・イン京都』(朝日新聞出版)で2021年度の“京都本大賞”受賞)・作品名「結い言(ゆいごん)」
◎第36回(2001年度)・・・吉澤薫さん・作品名「空を仰ぐ」
(小原)