●新入生「ハガキ一枚」課題●・・・作品発表・第2弾【通教部・羽立まどかさん/昼間部・山田佳美さん】 ★提出まだの方は、急いでください。
今春の新入生73名のみなさんに提出をもとめている〈課題ハガキ〉の既着分の中から、5/23文校ブログで取り上げた桑島良夫さんと竹内華子さんの作品に次ぐ第2弾として、羽立<うりゅう>まどかさん(通教部/67歳)と山田佳美<よしみ>さん(昼間部/51歳)の「文学学校入学にあたって」を紹介します。
〈課題ハガキ〉の締切は、6月2日(金)必着です。提出作品は全て、「文校ニュース」に載せ、文校の多くの皆さんの眼に触れられるようにします。
ハガキの代わりに、メールで送っていただいてもかまいません。むしろ、そのほうが助かります。 (小原)
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文学学校入学にあたって
羽立まどか(通・小説・塚田c 岡山県倉敷市)
新入生の皆さんへの課題400字~600字が書けなくて、頭を悩ませている。テーマが「私のふるさと」「私の歩んできた道」「私――――」「私――――」だからだ。私は「私」を表現することが苦手だ。「私」である前に、立場を第一に考えてしまう。ある年齢以上の人々にとって馴染み深い「良妻賢母」の立場である。さらに「嫁・住人」という立場もそこに加えてほしい。そこがこれまでの「私」なのだ。
しかし、2023年春、私は一大決心をした。文学学校への入学である。
とんでもない不良行為だ。「良妻賢母 且つ 嫁・住人」の世界からは、一発停学処分を受ける行いだ。けれど、私は知っている。自分の中にある人間としての不良性、非社会的なパーソナリティ。
「ん? これって、小説を書くときにとても重要な資質じゃね?」
思わず自賛してしまう。が、資質はあるが能力はない。
「じゃあ、残り少ない人生を、能力をつけるために使おうじゃないか」
私は、私として「私」を表現できるだろうか? できるまで頑張るしかない。私はそのために入学するのだ。
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文学学校入学にあたって
山田佳美(昼・小説・佐伯c 大阪府茨木市)
十年ほど前から、この学校に通えたらと、うっすら思っていました。でも、臆病者でふんぎりがつかず、今は無理、という理由をせっせと探し、そのうち、と逃げていました。
入学し、合評する作品の質の高さに感心しました。また、クラスの方々の合評での的確な意見、鋭い指摘に毎回ぐったりし、自分は、困り果てた末にひねり出した的外れな言葉をぼそぼそ並べ立て、さらにしおれております。とはいえ、温かなクラスの雰囲気と、お人柄が伝わるような佐伯先生の指導が救いです。
『大阪文学学校』『小説コース』とは、ほぼ口にしたことがありません。家族などには「明日、作文の学校があるから」とか「作文、なかなか書けない」などと申しております。その作文ですら、まだ一文字も書いておりません。
今年の三月下旬、思いきって、こちらに問い合わせの電話をしました。考えあぐねる私に「なに迷ってんの?」と、心底、不思議そうにおっしゃったのは、今思えば、事務局長の小原政幸氏だったのでしょうか。そのおおらかで悠然とした物言いに肩の力が抜けました。肩の力を抜いたまま、何ひとつ出来ていないのが目下の悩みです。まず、作文からでも書いてゆきたいと思っております。