小説(エッセイ)入門講座(夜)
- 担当講師:
- 津木林 洋(作家)
- 半年3回/月曜日/教室開催
- 18:30〜20:30
- 在校生・修了生・一般とも「作品提出+聴講」は各回1,000円、「聴講のみ」は500円
小説の冒頭を書く(Ⅰ)
津木林 洋(作家)
この講座の始まりで、冒頭を書くことをやりましたが、今回は書き出しに制約を設けて書いてもらうことにいたします。
まずは、情景描写から入る冒頭です。情景という意味を厳密に考える必要はありません。風景でも光景でも構いません。視点人物もしくは語り手が今見ているものを描写することによって、小説世界を読者にイメージさせていくことになります。必然的に、現在時間で始まる冒頭になります。課題作品を読んで、そのあたりの感じをつかんでください。
スケジュール
- 10月28日(月)
- 最初に取り上げるのは梶井基次郎の「交尾」(『檸檬』に所収)です。結核を病んだ私が、憂鬱から逃れるように夜の物干し場に逃れて、そこから見える光景を描く冒頭です。主人公の内面が反映されているように描かれています。
課題:視点人物の内面を暗示するような情景描写を書いてください。
- 12月9日(月)
- 次は吉村昭の「星への旅」です。視点人物が同じトラックに乗る男の様子を見ているところから始まります。男が下車し、その後、登場人物たちの会話から彼等がどういう情況にあるかが分かってきます。
課題:視点人物が他人を見る情景を描写してください。
- 1月27日(月)
- 次は北杜夫の「夜と霧の隅で」です。語り手が夜の、ある情景――障碍のある子供たちがトラックに乗せられる場面を描写していきます。その場面が終わって、説明が入り、2章から視点人物の登場となります。
課題:語り手が情景を描写し、その後視点人物に移行するように書いてください。
備考
〔作品提出の方法〕
○まとまった完結した話を書く必要はありません。途中までの話でも構いません。
○課題が浮かばない方は、自由に書いていただいても構いません。ペンネーム可。
○課題、もしくは自由題のどちらかを本文800字程度で書き、それをpdfファイルにし、講座のある1週間前の月曜日までに、下記のアドレスまでメール添付でお送りください。
bunsyokoza@yahoo.co.jp
※ @は半角に置き換えて下さい
○提出された作品はすべて公開クラウドに上げ、そのURLをお知らせします。受講生はあらかじめ全員の作品を読んでおいてください。講座のとき作者による朗読は行いません。
○ネット環境のない方は、作品を事務局まで持参、もしくは郵送し、事務局の指示を仰いでください。
○作品を提出せず聴講のみの方は、上記アドレスまでその旨をメールしてください。公開クラウドのURLをお伝えします。
○問い合わせ等は、上記アドレスまでメールしてください。
⦿まず15分間ほど、津木林講師がその回の参考図書について解説します。その後、提出作品すべてに一作ずつ、講師は詳しく鋭く批評をくわえていきます。作者コメントの時間を設け、会場から出る質問や意見にも懇切に答えていきます。