黒川博行さんの特別講座に教室満杯の112名
7月11日(土)文校教室に、1年前に『破門』で直木賞を受賞した羽曳野市在住の黒川博行さんをお招きし、「創作の極意――直木賞に辿りつくまで」と銘打った公開の特別講座を開きました。受賞後第1作の『後妻業』は、昨年末から耳目をあつめている、関西で相次いだ“青酸化合物による連続不審死事件”を予見した作品として評判になっています。
黒川さんは、30年におよぶ作家生活について気さくにまた赤裸々に語られたあと、エンターテインメント小説を書くにあたっての留意点に言及されました。アイデア、キャラクター、セリフ、取材、推敲、ツカミ(冒頭部分)をあげ、それぞれについて簡明に話されました。とくにセリフについては、自著を抜粋したプリントを配布されました。
そこまでで約1時間。それから会場との質疑応答に移りました。10名ほどから手が挙がり、どんな質問にも丁寧に答えられていました。そのなかで、「楽しんで書いたことはない。毎日、孤独な作業でつらいことばかり。読者のために、とことん考える。1行のセリフを何度も推敲する」という言葉が、印象的でした。
講座のあと、文校近くの“すかんぽ”での懇親会にも1時間あまり、付き合っていただきました。